ロードスターレストアプロジェクト #4 エンジン分解

2025.08.01

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この記事の目次

白煙の原因、ついに特定。NAロードスターのエンジン、解体と診断。

分解することでしかわからない「内部の真実」。


今回はエンジン本体を徹底的に分解し、そのコンディションと課題を洗い出していく。


白煙の正体、各パーツの状態、そして今後の方針まで──ロードスターの心臓部に迫る。

ヘッドカバーを開けて、第一印象は「悪くない」

まずはヘッドカバーを取り外し、カムシャフトまわりをチェック。


中は想像以上にクリーンで、オイルの状態も良好。


走行距離のわりに、焼き付きや異常な摩耗も見られなかった。

 

この段階で、すでに“当たりエンジンかもしれない”という手応えがあった。

カムシャフト → ヘッド → ついにピストンが見えてくる

プーリーを外し、カムを抜き取り、シリンダーヘッドを取り外す。


現れたピストンヘッドは、黒ずみ+軽度の焼け跡が確認できた。


特に1番シリンダーには燃焼室へのオイル混入の形跡が。

 

白煙の原因は、これだ。

 

バルブステムシールが劣化し、オイルが燃焼室側に流れ込んでいたと見られる。


古いエンジンでは定番の症状だ。

シリンダー&オイルパンの中身は極めて良好

シリンダー内壁を目視チェック。


大きな傷や段付きはなく、非常に綺麗。


オイルパンも開けて内部を確認すると、スラッジは最小限。


過去の整備履歴が良かった可能性すらある。

ピストンを抜いて、状態をさらに確認

コンロッド+ピストンを順に抜き出す。
 
●ピストン本体は洗浄すれば再使用可能なレベル
●コンロッドも問題なし。再利用予定
●メタル類・ピストンリングはすべて新品に交換予定
 
これが30年選手とは思えない健全さだった。

クランクシャフト → シリンダー → ヘッド内部へ

クランクを外し、シリンダーブロックの最終チェックへ。


シリンダー壁面には目立った傷も段付きもなく、状態は極めて良好。
このまま再使用できる見込みだ。

 

続いてシリンダーヘッド内部へ。
バルブ、バルブスプリング、ステムシールなどバルブまわりは全交換が前提だが、全体のコンディションはおおむね良好。

すべてをばらして見えた「結論」

●エンジン全体の構造的ダメージはなし
●使用不可な主要パーツはゼロ
●洗浄+消耗品の全交換で再生可能
 
これは“生きてるエンジン”だ。
 
次回は、金属洗浄剤「メタルクリーン」で内部を徹底的に洗い上げていく。

ロードスターレストアプロジェクト #4 動画

編集後記

やってみないとわからない。
だけど、開けたことで見えてくる希望は確実にあった。
すべてを分解したからこそ言える。
このエンジン、まだ走れる。まだ走らせられる。