ロードスターレストアプロジェクト 最終話 前編|組み上がる形、つながる手。完成へ向けた3日間。

2025.08.21

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この記事の目次

最終話 前編|組み上がる形、つながる手。完成へ向けた3日間。

プロジェクトが始まってから数ヶ月。


部品が戻り、エンジンが仕上がり、塗装が終わり──


いよいよこのロードスターが“クルマの形”を取り戻していく。

 

最終話・前編では、完成へ向けた最後の地道な作業たちを追いかける。

Day 1:まずは静かな下準備から

作業は、ボディのデッドニングとハーネス引き直しからスタート。

 

ロードノイズや音響にも関わるこの工程を、藤田・萩原・岡野の3人が黙々とこなしていく。


この日の作業は地味ながら、完成後の「乗り心地」を左右する、重要な土台作りだ。

Day 2:戻ってくる、内装の“質感”

翌日は内装パーツの組み付け。

幸運なことに、Sスペシャル用の純正カーペットを入手できていた。

まずはこのカーペットを敷き込み、ロードスターの室内に質感が戻ってくる。

続けて、スピーカーの配線や幌の取り付けを藤田と藤原と萩原が担当。

目に見える“ロードスターらしさ”が戻ってきて、空気が少しずつ変わっていく。

リアまわりでは岡野がテールランプの装着を担当。

少しずつ、クルマとしての「表情」ができあがっていく。

そして、リーダーの松岡がステアリングを装着。

いよいよこの車両に命を吹き込む準備が整ってきた。

Day 3〜4:仕上げ直前、仲間が集まる

この日からはエンジンルーム内の配線作業へ。
メインハーネスの引き直しや固定を行い、エンジン搭載の直前まで準備を整えていく。

そして、ここで急遽現役整備士のA氏の2人が応援に駆けつけてくれた。
プロの手を借りることで、最後の詰めが一気に加速する。

岡野は引き続きリア周辺を担当し、トランク内張やガソリンタンクを装着。
佐々木は初めての作業に戸惑いながらも、オーリンズのサスペンションを装着。
そして藤田はドアまわりの担当として、スピーカー・配線・内張を組み上げていく。

どの作業も、誰一人欠けても進まなかった。
ひとつずつ、確実に。
“クルマ”が完成へ近づいていく。

次回予告:すべてのパーツが揃い、ついに──。

最終話・後編では、いよいよエンジンが搭載され、火が入る瞬間へ。
完成したロードスターを囲み、関わったメンバーが語る、それぞれの想い。

最終話。手を重ねてきた時間のすべてが、一台のクルマとして形になる。

ロードスターレストアプロジェクト #8 動画

編集後記

エンジンを載せる前の数日間。
派手な絵はなくても、このクルマにとって最も大切な時間だったのかもしれません。

傷ついたボディに手を入れ、散らばったパーツを一つずつつなぎ直し、それぞれの担当が、それぞれの場所で手を動かす。

ただ部品を戻すんじゃない。
「思い」と「経験」が少しずつ混じって、かたちになっていく。

整備士ではないスタッフが、初めての工具とにらめっこしながら「できること」を増やしていく。

そんな手の重なりが、このロードスターを支えている──
そう実感できる日々でした。